アマチュア無線技士国家試験の思い出(Ⅲ) カムバック編

2010年2月3日    JQ1KRT

 1995年に農家の長男も何とか「嫁さま」を迎えることができ、局免は継続しているものの、QRT状態がしばらく続きます。同時期に住民票を茨城県から神奈川県川崎市に移した(結婚に伴い自分だけ一時的に転居)こともQRTに拍車をかけたようです。

 そうは言っても、XYLにも一夜漬けで第4級の免許を無理やり取らせたりしていたので、続ける意思はあったのかもしれません。

 ただ、通常のQSOをする機会はほとんどなくなってしまいました。山頂からのCQもほとんど行わなくなりました。

 5年毎の局免更新も、2000年には1度うっかり忘れてしまい、冷や汗をかきながら1ヵ月後に再免許申請をしましたが、同じコールで無事再免許取得、局としては免許継続していました。

 神奈川への転居も、2年ほどで茨城へ出戻り、土地の有効活用及び車庫確保のため、車庫兼物置の建築を計画しました。

 この時点で本格的なQRVの意思があったなら、現在はもっと違った設備になっていたかもしれませんが、残念ながら無線用設備は全く眼中に無く、むしろ「オーディオルーム」を作ろうという魂胆がありました。

 少年時代の「オーディオ小僧」からの念願だった、オープンリールデッキを4台も入手して、置く場所にも困ってしまい、「増殖しすぎたオーディオ機器も整理せねばならぬなぁ」と考えていた矢先に、ふとしたきっかけで、偶然本屋で見かけた懐かしい表紙のCQ Ham Radio誌を購入しました。

(オーディオと無線の本は同じコーナーにありました)

確かHF機の特集記事があったような気がします。

 CQ誌の購入は「そうだよなぁ、HFだったら日本全国とつながるよなぁ。VUとは違う世界だよなぁ」という極めてミーハーな理由です。

 さあ、大変。一度思い立ってしまったら小生は止まりません。オーディオ機器の整理など、既に忘却の彼方です。

早速、中古のHF(ICOM IC-736)をネットオークションで入手します。アンテナもベランダにマルチバンドGPを仮設置し、早速HF7/21MHz帯をワッチします。(この時点では、免許状は取得していません。SWLのみです)

 「・・・・・・・・」(無音です)

「なんだ、HFって誰も出て無いじゃん。がっかり」

しばらくそのような繰り返しが続いておりましたが、何のことはない、HFの事をよく知らない小生は、VUFMモードのつもりで、スケルチを全閉していたのでした。これではSSBで音など聞こえるはずはありません。

 やっと、己の愚かさを自覚し、スケルチつまみを開けると・・・

「・・・Jx6xxx。こちらはJx8xxx・・・」

おぉ~っ、来ました来ました、ついに聞こえてきました。6は九州・8は北海道ではないですか。

こんなに簡単に日本中の電波が聞こえてきてええんかいな?

 今までVU1エリア限定だった小生には、全く新しい未知の世界がそこには広がっていました。

 いろいろとググってみますと(注:ググる=ネット検索するの意)、どうやらHF帯は4アマ免許の10Wでは通常QSOは少々厳しいそうな。50W若しくは100Wあれば日本全国と楽にQSOできるらしい。

 この時点で2007年末から8年初頭。JQ1KRT局、ほぼ15年のQRT状態からカムバックの決心をします。

 20082月に3アマ、8月に2アマ、そして12月に1アマと1年間で3回もの試験を受けました。

 幼少の頃の屈辱と歳を重ねたおかげで、受験術には長けていたのかもしれません。2アマの電気通信術(モールス受信)では完全に撃沈を覚悟しましたが、なぜか結果OK。調子にのって、「行けるところまでいってしまえ」で、無謀にも4ヵ月後に1アマチャレンジです。

 まず理解不能だろうと思っていた、1アマの難解無線工学も、理論よりは受験テクニックでなんとか乗り切り、現在に至ります。

 かくして25/分のモールス符号の受信も満足にできない、「なんちゃって1アマ」の登場となりました。

 2アマ受験から間をおかなかったのが良かったのかも知れません。何事にも「勢い」というのは大切ですものね。

 それまで、「電話級」での運用はVU(144/430)FMモードオンリーでしたが、上級免許取得を機にSSBモードそれにHF6mが加わって、EスポシーズンはHFハイバンド~6m、秋から春までは、コンディション次第であちこちのバンドを楽しんでいます。144SSB430FMは通年ボチボチ出ています。

 現在では移動局の他に200Wの固定局免許状も取得していますが、通常QSOでは50-100Wの出力がほとんどです。200Wはある意味で、「ここ一番」の時の保険と、無線機に常時フルパワーをかけないリグ思いのやさしい(?)小生でした。

 クラブメンバーにも上級資格をお持ちの方は沢山いらっしゃいますし、3アマなら移動局の最高出力まで、2アマであれば一通りのアマチュアバンドは運用できるのでFBではないかと思います。

ぜひ、4アマの皆様にも上級資格にチャレンジしていただきたいと思います。

 ひょんな事で2009年からは本クラブの各種行事等にも参加させていただくことと相成り、無線の幅が広がってきているに感じます。

せっかくカムバックしたからには、息切れせずに長く続けたい趣味です。

 ここで歩みを止めてしまうと、またQRTへの道を辿ってしまいそうなので、常時どんなことでも良いから自分で定めた目標を持つようにしました。

 2008年は上級免許取得、2009年はJARL4大コンテスト参加、となんとか実現できました。

そして、2010年の目標は「CWでのQRV」に設定しましたが、相変わらず、相手局のコールサインが取れない状況で困っています。

 あわててCW Freakというフリーソフトで勉強し出しましたが、15WPMまでがやっとで、それ以上はほとんど取れません。20WPMくらいまで取れないと、実用にはならないようですが。。。

取れないCWをすぐ諦めてしまい、Phoneにダイヤルを合わせてしまう癖を何とかしたいものです。

 以上で、幼少期からカムバックまでの3部作は終了とさせていただきます。

 

 最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。

                 de JQ1KRT JCC#1436